2019年度について

本サイトは,SecHack365の公式ページである
https://sechack365.nict.go.jp/document/
に対して補足している,学習駆動コースの詳細説明ページです.
SecHack365への応募は,上記サイトから行います.(このページからは行えません)
応募を希望する場合は,上記サイトの申し込みフォームから申し込みしてください.

2019年度のSecHack365では,私(坂井)は「学習駆動コース」というコースで トレーナーをやらせていただきます.

■ 学習駆動コースとは

まずは「作りたいものがあり,それを作る」という「ものづくり」から始めて いただきます.作りたいもの,作ってみたいものをどんどん作っていって いただきます.
しかしそれだけではなく,作ることと並行もしくは先行して,何らかの付加的な学習を しながら開発を行うコースです.

新しいアイディアは,未知の分野を学習したときに,既知の知識との組合せで生まれ ます.開発の際に,何らかの他技術や他分野の学習を付加的にしていただき,新たな 知見を得ることで,開発のアイディアや「作れるもの」「作ってみたいもの」の幅を 広げます.

付加学習のテーマは各自で考えていただきますが,例えばOSを作ってみるときに, あえてネットワークの勉強もしてみる,といったようなものです.また付加学習は, 教科書的なものでなく,手を動かす内容で考えていただきます.

作りたいものや作ってみたいものがあるが,作るだけではもの足りない,という人向け のコースです.

なお付加学習はあくまで「試しに他分野の勉強もしてみる」というものであり,その 結果を無理に開発に結びつける必要はありませんし,付加学習から無理にアイディア を出して採り入れる必要もありません.まずは作りたいものを作ることを優先し, 付加学習はそれに対するオプション的な学習です.結果的に,付加学習したことは 開発には直接的には役に立たず,となっても構いません. (勉強とはそうしたものですので)

注意として,付加学習は「作ってみたいものはあるが,作るために何をすればいいかが 自分ではわからないので,作りかたを教えてもらう」というものではありません.
「作ることにさらに加えて,他分野などを付加的に勉強することで,知識の組合せを 増やして新たなものづくりのアイディアが出るようにする」ということを目指します.
もちろん,作りたいものを作るための学習をしていただくのは構いませんが,付加学習 としてそれとは別に,別分野の学習をしていただきます.

■ 3つのゼミを開講します

本コースでは3つのゼミを開講します.

応募時には参加したいゼミを選択していただき,ゼミに対して応募していただきます.

各ゼミの詳細,応募方法について,詳細はゼミの説明を参照してください.

■ 自宅での勉強と開発について

学習駆動コースでは付加学習をしていただきます.
また,作るためになんらかの知識の修得が必要な場合には,そうした知識を勉強して いただくことも必要となります.

そうでなければいきなり開発から始めても構いませんし,「作りながら学びたい」 というかたは,やはりいきなり開発から始めて,並行して勉強もする,というやりかた でもかまいません.

ただしこの「勉強」や「開発」は,注意として,トレーナーが講義などをして 手とり足とり教えるわけではありません.

SecHack365では,自宅での作業がメインになります.
主なコミュニケーションはネットワーク越しに,リモートで行います.

トレーナーが直接お会いできるのは2ヵ月に1回くらいの集合イベントのときだけ ですので,それほど頻繁にお会いできるわけではありません.
さらにそのときはトレーナーの講義などではなく,発表などのイベントが行われます.

なので,基本的には自分で自宅で頑張って勉強や開発をしていただきます.

ただし単に「勉強してください」「開発してください」というだけではなく, もちろんオンラインで,学習やものづくりの誘導やサポートはします.
また勉強は単なる座学とか「この本を読んでおいてください」といったような ものではなく,
「こういうことを試してみてください」
「試しにこれこれを作ってみてください」
というような,実験やサンプル作成といった演習ベースで学習をリードします.

実際には「勉強」と「開発」の工程が明確に分かれているのではなく, 実験や簡単なサンプル作成などを繰り返しているうちに, それが徐々にものづくりになっていくというような連続した感じになると思います.

勉強することで,作りたいもののアイディアなどは,自然と出てくるものです.
なので実際には,実験やサンプル作成などを勉強として繰り返していたら, だんだん作りたいものができてきたので,じゃあ実験で作ったサンプルを拡張して 本格的に作ってみるか,みたいな流れになるかと思います.

■ 応募について

応募の際には,アピールしたいことをたくさん書いて,
「自分は実際に作ることができる」
「テーマに関する知識は今は無いが,ものづくりの経験はあるので, 勉強すれば実際に作れる自信がある」
「自分はいままでいっぱい手を動かしてきたので,とにかく手を動かすことができる」
「とにかく作ってみたい」
というようなことをアピールしてください.

基本として,加点法で判断します.
多く書くことにより「文章が長過ぎる」「文章がまとまっていない」 「内容が重複している」「無駄なことを書いている」「文章が冗長だ」 などとして減点するようなことはありません.

また,たとえば今まで作ったものやコンテストへの応募について, 「作ろうとしたが失敗した」「未完成だった」「コンテストに応募したが落ちた」 というようなことによる減点も,ありません.
失敗として減点するのではなく,それだけ手を動かしたというアピールとして判断 します.

「文章が洗練されていない」「誤字脱字がある」などによる減点もありません。

つまりアピールをいっぱい書いて,得をすることはあっても, 損をすることはありません.
自身がアピールしたいことを思い付くままにいっぱい書いて,アピールしてください.

■ グループについて

勉強や開発を進めていく上で,もしかしたら他の参加者と組んで, グループを作って開発したい,ということになるかもしれません.

グループに関しては,お互いに組みたいという要望や組むメリットがある上で自発的に 組むならば,基本的にOKで考えています.

また勉強や開発を進めていく途中で個々の状況を見て,こういうふうにグループを 組んでみたら面白いのではないかなど,トレーナーから提案や誘導をする可能性も あります.

ただもちろんそうした提案や誘導をしたとしても,必ずしもグループを組んで やらなければいけないということはありません. (「組んでください」と強制することは,ありません)

また組むとしても,組んだら絶対それで続けてもらうというものでもなく, 試しにそうしてみて,まああまりしっくりこなければまた元に戻って個別にやっても 構いません.

グループとして共同開発することにした場合,共同開発として開発テーマを持って 共同で開発するが,それとは別に個人で開発していたものも,それはそれで継続して 開発するというように,並行して両方やっても構いません.