雑誌連載の方は残念ながら終了しましたが,ここでは取材させていただいて掲載が できなかったイベント(*1)について「番外編」として,誌面と ほぼ同品質,Web掲載なのでいつもより写真と食べ物の話題多め・旅情感多めの 特別版で紹介します!
12月26日(月)〜27日(火)にサイボウズ・ラボユースの開発合宿が開催されました.
「サイボウズ・ラボユース」はサイボウズグループ(*2)の 研究開発部門であるサイボウズ・ラボ株式会社(*3) によって運営されている開発支援制度です. その目的は「世界に通用する日本の若手エンジニアの発掘と育成」で, 学生を対象として年間数人を採択し,サイボウズ・ラボの社員による直接指導や 奨励金によって個人の開発プロジェクトを技術的・経済的に応援します.
その最大の特徴は,開発成果の権利が本人に帰属することです. さらにその成果はオープンソースで公開することを条件としています. つまり企業の通常のインターン制度等とは異なり,NDA契約などは行わずに採択者本人の 個人的開発プロジェクト(*4)を応援する制度な わけです(すばらしい!).このためテーマも非常にバラエティ豊かで,2011年度は プログラミング言語の型推論や正規表現エンジン,クラウドOSなどの幅広いテーマが 採択されています. このような自己テーマを,サイボウズ・ラボの方々の丁寧な指導のもとに 進められることはたいへん有意義に思います.
サイボウズ・ラボユースについて詳しくは,以下を参照してください.
http://labs.cybozu.co.jp/recruit/youth.html
今回はその「サイボウズ・ラボユース」の開発合宿が行われるということで, サイボウズ・ラボの竹迫良範さん(*5)と 川合秀実さん(*6)の紹介で,筆者もビジターとして 参加させていただきました.当日はサイボウズ・ラボの社員のかたも多く 参加するとのことで,たいへん楽しみです.
では,レポートです.
今回の合宿は学生の冬休み中の平日に,1泊2日で行われた. 筆者は初日は定時退社後に出発し,夜から参加のスケジュールだ. いったん家に帰ってから自転車で横須賀線の武蔵小杉駅に向かう. 駐輪場に自転車用エスカレーターがあって物珍しく,ついつい撮影. |
武蔵小杉から横須賀線で東京駅に到着.これから京葉線に乗り換えるのだが, 東京駅の京葉線のホームは非常に遠いのが有名. 20分くらい,延々と歩かなければならないのだ. 写真の位置でようやく真ん中あたりだろうか. 荷物の多い筆者はすでに汗かき状態. |
新木場駅に到着し会場に向かう.公園の中にある建物らしく,誰も歩いていない 真っ暗な道をひたすら進んでかなり不安.ほんとにこの先に会場があるのだろうか…. |
会場らしき建物が見えてホッと安心.食事時間帯らしく,1階の食堂らしい部屋に 人の集まりが見える. |
今回の開発合宿は和室の座敷部屋で行われた.各自,ひとつのテーブルを占領して もくもくと作業をしている.左下に見えるのは学生へのプレゼント用に,編集部に 提供していただいたSoftwareDesign誌の最新号だ. |
初日は発表などの時間は無いため,夜までひたすらもくもくと開発を続けました. 夜9時になって部屋に引き上げて大浴場で入浴し,あとは翌日にそなえて早めに 就寝します.(*7)
会場の「Bumb 東京スポーツ文化館」(*8)は体育館やホールなども 併設されている合宿場だ. 今回の参加は急だったためシングル部屋は空いておらず,一人でツイン部屋に宿泊. 写真は朝食後,出発準備中のところ. |
各自の合宿での目標はホワイトボードに書き込まれていた. 全体的に,言語系とOS系のテーマが多いようだ. そして筆者は自作組込みOS(*9)のGDBデバッグ対応という 内容で開発.H8向けのいわゆるGDBスタブのスクラッチ開発だ. いちおう合宿中に,ブレークポイントを設定して止めるところまでは実装できてひと 安心.(*10) |
正規表現エンジンの実装をテーマに開発していたラボユース生の新屋さん. 開発テーマに劣らず本人自身も面白い人で,写真は川合さんが持ってきたPC用 メガネをかけて自分で「かっこいい!」と言っているところ.(笑) |
午前の作業が終り,1階の食堂で昼食タイム.手前はプログラミング言語Cyanの 開発者で2009年度日本OSS奨励賞受賞者の林拓人君だ(そして隣は筆者の席). 本連載の第6回〜第8回(本誌2011年10月号〜12月号)で紹介した 夏のセキュリティ&プログラミングキャンプ(*11)に チュータで参加している.今回の合宿,実はセプキャン関係者多し. |
午後も引続き各自で開発作業だ.たまに雑談などは入るが,基本的にはひたすら もくもくと自分の作業を進めるいわゆる「もくもく会」のような感じ (*12)で,作業はとてもはかどる. 良い意味での適度な緊張感があって,開発者にとってはとても心地よい雰囲気だ. そして夕方には成果発表があるので,資料作りもぼちぼち進めたいところだ. |
そして写真が筆者の作業卓.ビジターなのにいちばん散らかってて恐縮です. ノートPCが2台あるのは,プログラミング用とマイコン操作用(兼予備)のため. 組込み関連の開発は,いろいろと備品が多いのが悩みどころだ. ちなみに写真中央は雑誌連載の最終回(本誌2012年4月号)で液晶割れしたLet'snote. 現役で使っています.(*13) |
| 合宿にはサイボウズ・ラボの社員のかたも多く参加していた. 左の写真は2011年度のセキュリティ&プログラミングキャンプでプログラミング言語 クラスのクラス長をつとめた西尾泰和さんで,ニューラル・ネットワークによる 教師有り学習と教師無し学習の発表とか(難しい…). そして右の写真は本連載でもお馴染み,PC向け自作OS「OSASK」開発者の 川合秀実さん. |
| 発表が終わり最後の夕食タイム.開発者集団なのでなにしろ話題が非常に濃くて おもしろい.そしてこの後は各自帰路についた. 参加させていただき,どうもありがとうございました! |
2月11日(土)に大分でオープンソースカンファレンスが開催されました.
オープンソースカンファレンス(OSC)は本連載でたびたび紹介してきた, IT系の展示・セミナーのイベントです. 入場・セミナー聴講ともにすべて無料で参加できることが特徴で,また企業や さまざまなコミュニティが出展するため内容は非常にバラエティに富んでいます. 企画運営はびぎねっと(*14)により行われていますが 開催は各地域の実行委員会が主導するため,地域ごとの独自色が強い点も特徴的です. 詳しくは以下を参照してください.
現在はだいたい月1回のペースで開催されており,ほぼ毎月のように全国各地の どこかで行われています.しかし1月には開催が無かったため, 2012年初の開催が大分ということになりました. なお当日のレポートは以下にもありますので,ぜひ併せてご覧ください.
http://www.ospn.jp/press/20120224osc2012-oita-report.html
| 今回は筆者は早朝の飛行機で羽田を出発し大分に上陸. 空港からはバスに乗って大分駅に向かう. |
| 空港バスで1時間程度揺られると,JR大分駅に到着だ.駅前は広いロータリーに なっており,そして戦国大名・大友宗麟の像が見られる.キリシタン大名で貿易にも 熱心だったらしい. |
バス停を降りていきなり漂うトンコツラーメン臭.見てみると目の前にラーメン屋が あり営業中.ラーメン好きの筆者はここで朝食を…と思ったのだがにおいがつくと まずいかなと思い直し,通り過ぎる.しかしこの後すぐに後悔することに. |
会場まで駅から10分ほど歩いただろうか.途中でどこかで朝食をと思っていたのだが 時間が早く,どこにも開いている店は無く早くも後悔. そして会場を少し通り過ぎたところにうどんの看板が見えたので行ってみると なんと丸亀製麺が!(*15) しかしやはり時間は早く,まだ準備中. しかたがない,朝食はあきらめて昼に来よう…. |
| 朝食をあきらめて,ようやく会場の大分県消費生活・男女共同参画プラザ「アイネス」 に到着する. 日程や場所を間違えていないだろうかと心配症な筆者にとって,遠征先の見知らぬ 土地でこの「オープンソースカンファレンス」ののぼりを見つけたときというのは, ほっとひと安心する瞬間だ. |
受付けを済ませて入場する.開場直後にもかかわらず,すでになかなかの客入りだ. OSCでお馴染み,水色Tシャツのスタッフも多し. |
| 全国各地でお会いする「おーぷんここん」(*16)は今回は ようやくライブCDが作成できたということで,さっそく配布していた. なんでも今回の往路はフェリー利用で,その船中で焼いてきたらしい. そしてCDのラベルはマジックで手書き. |
JJSUGQ(Japan Jasperserver User Group Qshu)(*17)のブース. 様々なデータ形式のファイルを一元的に取り扱う「みえだめエンジン」の展示を していた.そして説明をしていたのはKCS福岡(*18)の学生グループだ. |
ようやく時間ができたので,おーぷんここんの島田啓史さんと丸亀製麺にて お待ちかねの昼食をとる. 向かいは筆者が島田さんにおすすめした釜揚げうどんで,手前の筆者は おろし醤油うどんだろうか.神奈川の店舗とは,微妙にトッピングの種類が異なる ようだ.ちなみに写真ではネギをかなり控え目にしている. |
今回の来場者は約180名.地方開催ということを考えると,なかなかの盛況だ. 当日の模様は現地のケーブルテレビでも放送された.(*19) |
現地でライブCDを量産してラベルを手書きしているおーぷんここんの島田啓史さん. 手作り感満載だなあ. |
| お馴染みの閉会式でのライトニングトークでは地元コミュニティの発表が多く, 左はWordBench鹿児島(*20)の発表風景. そして高校生の発表もあってびっくり. 筆者はアセンブラの発表を行ったがノートPCが接続できないハプニング有り, そして借りたPCではスライドの表示崩れが有り.グダグダになってしまい ごめんなさい….接続チェックはやっぱり大切だなあと痛感. |
実行委員の江原裕幸さん.本連載の第3回(2011年7月号)で昨年のOSC大分を紹介する 際に写真をいただいたのも,実は江原さんだ. |
閉会式も終わり,みんなでお片付けの図.スタッフ以外の参加者の姿も見られる. このように参加者もいっしょになって片付けをしている光景はボランティアベースの イベントならではのもので,いいなあと筆者は感じる. |
懇親会は大分駅方向に少し歩いたところの居酒屋「八十八屋」で行われた. まずは江原さんの合図で乾杯. |
OSC大分は今回で5回目.なかなか歴史のある開催地なだけあって,実行委員や スタッフ間の連帯も強力なようだ.写真はひとりひとりの自己紹介をしているところ. OSC大分の懇親会では恒例らしい. 鳥の刺身がとてもおいしかったなあ.でも甘い醤油はちょっと苦手かも. |
筆者は今回の宿泊地はせっかくなので湯布院か別府でと考えたのだが, 移動のことも考えて別府駅付近のカプセルホテルに予約を入れていた. ありがたいことに,現地のかたにわざわざクルマで送っていただき感謝です. 寝床はカプセルだが大浴場は温泉で満足. |
カプセルホテルにチェックイン後,せっかくなので別府の夜を楽しもうとひとりで 街をうろうろしてみた. 筆者がこういうときに選ぶ店の条件は,ひとりでも楽しめることを考えて 「カウンター有り」「客が少ない」「店主があまり忙しくなくて相手してくれそう」 だ.今夜は適当に(大分なのに)沖縄料理の店に入ってみた. |
| カプセルホテルに1泊して翌朝,飛行機までにまだ時間があるので近くのスーパー銭湯 に寄ってみた.別府の街はそこかしこに温泉があるので何も疑わずに行ったのだが, 入ってみたら温泉銭湯ではなくて残念. |
| ひとっ風呂浴びた後には別府駅まで歩いてみた. 休日の朝なので駅前商店街はひとがまばらだ. そして昨日のリベンジとして,駅前のトンコツラーメン屋に入って遅い朝食をとる. |
| 空港に行くバス乗り場からは別府タワーが見えた. 日本で3番目に建てられた由緒あるタワーらしい. 大分は山が多く市街地は別府湾に隣接しているような地形で,写真右手の方向には すぐ,海がある. |
帰りの飛行機の中,窓の外を見ていたら愛媛らしき地形が…. 来月はあそこでOSCだなあと思いながら撮影.(*21) |
| 静岡あたりを飛行中,遠くに富士山が見えた.ということは眼下は駿河湾か. 芦ノ湖はもうちょっと先かな.伊豆半島を越えると,江ノ島は見えるだろうか…? 飛行機旅は天気が良いとこういうのがとても楽しく,筆者はずっと窓の外を見ていて 飽きない.(日本地図を持って乗るのがおすすめ.天気が悪いときは雲の海だけだが) |
筆者は参加していませんが,写真や情報をいただけたイベントがいくつかありますので ここで紹介します.
1月28日(土)に大阪・梅田のECCコンピュータ専門学校で大阪Node学園が開催 されました.
大阪Node学園はNode.js(*22)に関する勉強会です. 旧名は「Node.js勉強会@関西」でしたが今回より名称が変更になったようです. さらに3月24日には二時限目,4月28日には三時限目がすでに開催されています. 詳しくは以下を参照してください.
今回はECCコンピュータ専門学校の3つの教室を接続し,定員70名の大部屋で 行われたようだ.当日の参加者は60人とのこと. さらに福井,志賀,奈良などの遠方からの参加者もいたとのことで, Webアプリケーションのプラットホームに対する関心の高さがうかがえる. |
最初のセッションは「Node.jsランダウン 〜怖くないNode.js入門〜」と題して, 主催者の一人である渡辺俊輔さんの発表. 前座として「Nodeとはなにか」「環境構築」などといったNode.jsの入門としての説明が されたようだ. |
| 今回は50分のセッションが3本予定されていた. 左は2番目のセッション.kamiyamさんの発表で, タイトルは「Socket.IOとリアルタイムなナニか」. WebSocket(*23)とSocket.IO(*24)の 話題だ. 右は最後のセッションで,Kumatchさんの「Learning a Node stream」. イベントドリブンプログラミングの解説だったようだ. |
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セッションの後はライトニングトークが行われた.プログラムでは2名となっていたが
当日の飛び入りでさらに2名が追加され,4人のかたによって発表がされた.
(左上)たきぐちさんの発表で「Expressを使ってみた」. ExpressはNode.js用のWebアプリケーション・フレームワークのパッケージで, Webアプリケーションの雛型を作成することができる. (右上)しみずさんの発表で 「impress.jsとcanvasを組み合わせてsocket.ioなプレゼンツールを とりあえず作ってみた」. impress.jsはブラウザ上で動作する3Dグリグリのプレゼンスライドが作成できる JavaScriptライブラリだが,発表の内容はそれにさらにWebSocketとCanvasを 組み合わせたツールの紹介だったようだ.(*25) (左下) プログラム発表の後は,続いて飛び入りの発表がされた. まずはApacheとNginxの違いやApacheでの問題点, 「ギャザQ」(*26)の事例紹介など. 発表者の矢谷さんはファーストサーバ(*27)で Node Ninja (*28)を展開している,本職のNode.js使いだ. (右下) こちらも飛び入りのえすぺりさんの発表.WebRTC(*29)について, デモを交えての解説がされたようだ. |
最後に主催者と発表者で記念撮影. どうもおつかれさまでした! |
1月28日(土)に大阪・梅田のECCコンピュータ専門学校で夜子まま塾ADKが 開催されました.
「夜子まま」は 「10日でおぼえる Androidアプリ開発入門教室」(翔泳社)の著者である寺園聖文さんの 愛称です. そして「夜子まま塾」は夜子ままさんが主催しているAndroidアプリの体験実習形式の 講習会です. 「夜子ままさんが主催」と書きましたが,依頼があれば出張・遠征しての開催も行って いるようです. 夜子まま塾については以下を参照してください.
http://kayosystem.blogspot.jp/p/blog-page_11.html
実は今回は上で紹介した大阪Node学園一時限目と同日開催で, 場所も同じ大阪・梅田のECCコンピュータ専門学校(*30) です.開催については以下を参照してください.
http://atnd.org/event/E0000685
今回の内容は主にADK(*31)に関するものになります. さらにAndyLib(*32)を用いたサンプルにより, Arduinoと接続する実習を行うようです.
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前半は座学でADKとAndyLibについての説明が行われた.
教壇に立っているのが講師の夜子ままさん.
当日のスライドは以下を参照.
http://www.slideshare.net/yokmama/andy-lib |
後半はいよいよ実習だ.写真は夜子ままさんが参加者を回っているところ.ライブラリ のパスの設定が外れていたトラブルがあったため,一人ひとりをこうしてフォロー したようだ. |
実習中の参加者のかたがた.当日は参加者どうしで教え合う姿もあったようだ.
写真中央,手前から2人目のかたは
FPGAインフォメーション(*33)のバサロさん.
また一番左は翌日の「ものづくりまつりMAID Ver. 0.8」(後述)の出展もあり福岡から
参加されたJuJuさん.これも後述する「FLIS-MATRIX」というArduino制御のLEDパネル
の製作者だ.
お二人の分野はFPGAとArduinoだが,ともにAndroidとの接続に可能性を感じ参加された とのこと. AndroidはJavaによるプログラミングのため,組込み関係では敬遠している人も多い もの.このためAndyLibのようなライブラリでAndroidのアプリ開発に取り組めることは 意義がある,とのことだった. |
1月29日の日曜日に「ものづくりまつりMAID Ver. 0.8」が 大阪・日本橋のでんでんタウン(*34)で開催されました.
「ものづくりまつりMAID」今回初開催された,ものづくりに関する展示イベントです. 場所の日本橋(にっぽんばし)は言わずと知れた大阪の有名な電気街ですが,今回は 「ものづくりであればなんでもOK」ということで, 電子工作などに限らず機械や手芸,模型などの様々な分野から24もの出展がされた ようです.
なお「Ver. 0.8」という数字は,初開催である今回はまだ様々な準備段階, という意味を含めてのものとのことです. ちなみに「MAID」は大阪らしく「まいど」と読むのだとか.
次回は「Ver. 0.9」として7月7日の土曜日に開催が予定されています. 詳しくは以下を参照してください.
開催時のパンフレット.
展示内容は以下からも参照可能.
http://monofes.s364.xrea.com/index.php/2011-12-15-13-03-32 |
会場は第1会場と第2会場に分かれており,写真は第1会場の 「サウンドパル共電社」(*35)の入口. 見たところ,オーディオ関連の専門店のようだ. ロボットがお出迎えしているのかな? |
第1会場の様子. 内容はハンドメイド作品の展示会で,写真からは Make: Tokyo Meeting (*36)とよく似た雰囲気が感じられる. 写真左に見えるテーブルは,ロボットのためのフィールドらしい. |
ドミノ技術部さんの3x3x3LEDcubeの展示. AVRマイコンで制御されていて,販売もしているらしい. ホームページの方では,暗いところでの写真がとてもきれい. http://ameblo.jp/dominodaosiairanndo/ |
先に紹介したJuJuさんによる「FLIS-MATRIX」と「FLIS-UNO」の展示. 8x8のフルカラーLEDパネルが各々Arduinoによって独立制御されており, さらにバス接続によって自由に連結できるためパネル接続の自由度が高く, 描画プログラムが簡単に書けるのが特徴らしい. http://su-u.jp/juju/ |
テクノ京都さんの出展で,名前は「テクノひよこ」. 「テクノ手芸」という分野のようだ. 餌には磁石が付いており,口に近づけると検知してピヨピヨ鳴いたり, ブルブル動いたりするらしい. 並んでピヨピヨ言ってたらかわいいだろうなあ. http://www.technokyoto.com/ |
こちらは第1会場のロボット用フィールド. ものづくり系のイベントらしくロボットの展示も多かったようで, 小型で動き回るようなロボットはこちらで展示されていたのだとか. 来場者が操縦できるものもあり,面白そう. |
こちらは第2会場となった,日本橋筋商店街の振興組合事務所の様子. 人が乗れるような大型の作品は,こちらで展示されたようだ. 写真中央にあるのは大阪工業大学情報科学部 井上研究室による セルフバランスロボットの展示. ARMで動作していて,人が乗るとセグウェイのようにバランスをとってくれる. http://sites.google.com/site/nwrlab/Home |
ロボットお茶会さんによる二足歩行ロボットの展示. 実際に操縦ができるため,子どもにたいへん人気があったようだ. |
会場内ではホッチキスで止めるだけの,半田ゴテ不要の電子工作教室が行われていた. 手軽だし安全なので,このようなイベント内での電子工作教室には最適だ. |
Global Android Dev Camp は2月17日から19日の3日間にかけて世界各地で開催 されたイベントで,世界中のGTUG(*37)やAndroid User Group に よって主催されました.詳しくは以下を参照してください.
http://android-dev-camp-2012.blogspot.jp/
京都はその開催地のひとつとして,京都GTUG(*38)の主催で Global Android Dev Camp Kyoto として, アイディアソン(*39)やハッカソン(*40), 勉強会などが行われました.詳細については以下を参照してください.
http://www.kyoto-gtug.org/home/global-android-dev-camp-in-kyoto
| 初日の17日は UI / UX デザイン勉強会が夕方から行われた. 場所は京都でのIT系イベントでおなじみ,JR京都駅から1駅の京都リサーチパークだ. 発表は 藏野文子さんの「画面UIを作るのに,UXをちょっと意識してみませんか?」, 瀬口理恵さんの「Androidアプリをデザインしよう!」, そして飛び込みでライトニングトークも行われたようだ. 当日の様子については以下を参照. http://www.kyoto-gtug.org/home/ui-ux-design20120217 |
| 18日の午前中はアイディアソンが実施された.19日のハッカソンに向けて, 各自アイディア出しと発表,グループ投票などが行われたようだ. SmartWatch(*41)の実物もあり,それに関するアイディアも あったそうだ. 当日のようすは以下を参照. http://www.kyoto-gtug.org/home/gadc-kyoto-ideathon-android-mtg |
| 18日の午後からはAndroid勉強会が行われた. 上述「夜子まま塾」の夜子ままさんの発表もあったようだ. また夕方には「ソースを読む会」としてAndroidのソースコード読解も行われた. |
| 最終日の19日はハッカソンが行われた.5チームによりそれぞれのテーマの開発が 行われる.このハッカソンは全世界で同時開催されており,その成果物は世界中に 公開されて投票となる. そしてその結果発表はドイツのDroidcon(*42)で行われた. 当日のようすは以下を参照してください. また動画も公開されているようです(*43). http://www.kyoto-gtug.org/home/gadc-kyoto-android-hackathon |
本連載では終了したイベントのレポートだけに留まらず,今後開催されるイベントの 告知や紹介も行いたいと思っていました.
ということで最後に,「オープンセミナー岡山」を紹介して締めたいと思います.
オープンセミナー岡山は2008年より岡山で毎年開催されているソフトウェアの セミナーイベントです.参加費は無料で,ボランティアによって運営されています. 「オープンセミナー」は他にも香川や徳島,愛媛,広島などの中国・四国地方で 開催されています.
今年は「オープンセミナー2012@岡山」として来る2012年5月12日の土曜日 (*44)に,岡山県立大学で開催されます. 詳しくは以下を参照してください.
岡山では「オープンラボ岡山」(*45)という勉強会も 開催されているようです.興味のある人はぜひ,参加してみてください.
ここまで読んでいただいた方々,情報を提供していただいた主催者や関係者の方々, 雑誌連載の機会を与えていただいた編集部の方々, いつも原稿提出が遅い筆者と二人三脚で連載を牽引してくれたSD誌のTさん (また飲みましょう!次は神楽坂で!),ほんとうにどうもありがとうございました.
最後に,雑誌のほうでは書ききれなかった筆者の思いをつれづれに書いておきたいと 思います.
もともとなぜこのような連載を始めたのかというとまあ理由はひとつだけではなくて いくつかあったりはするわけですが,そんな理由のひとつは,雑誌での最終回にも 書きましたが,「勉強会」の発展の一助になれればといったものでした. ということでこの連載は,月並ですがぼくなりの「みんな勉強会に行こうよ!」 という表現だったのです.
勉強会の参加者が勉強会に行くのは勉強だけの理由では無く, コミュニケーションとか人との繋がりとか,そういうものも求めていたりします. これは発表する側や主催する側も,そうだったりする. 技術だけでなく,そういういろいろなものがモチベーションになっているわけです.
もっともぼく自身は根っからの作り手なので 「まずは,モノづくりありき」「アウトプットありき」 なわけだったりするのですが,でもそれだけでは淋しいしつまらないので, やっぱり人との繋がりを求めてもいるわけです.
ということでこの連載では,ぼくは「技術」よりも「人」を書きたいと思いました. これは連載開始前から頭にあったことで,連載中に人物紹介が多めに出てくるのは そのためなのです.(今見ると,ホントに多い)
まあIT系の雑誌というと技術的な記事が(あたりまえですが)多く,イベント探訪記の ような写真多めの旅日記みたいなものがあると,一服の清涼剤になっていいのでは ないかと思いました(編集部の意向はこの際置いておいて). 全部がそれではちょっとなんだかなあですが,ひとつくらいはいいんではないかと. (まあこれは筆者の勝手な考えです編集部ごめんなさい.でも,そういうのが 書きたかったんです)
目標のひとつには 「読者のかたがSoftwareDesign誌を買って帰ったときに,今までは 『ワタシが読むものが無い!』と言っていた奥さんがたに, 『これなら読めるから買ってきてもいいよ!』と言ってもらえること」 というものがあったのです. 写真や食べ物の話題がやたら多いのは,そういう思いもあってのものでした. (が,技術誌としては内容的にはアレなので,結果的にカットになったものも多かった)
そしてただのレポート記事にしてしまうのでは,ぼくが書く意味が無いというか, ある意味誰でも書けるものになってしまいます.ということでイベント探訪記は, ぼく自身が出展したり発表したり主催したりして,そういった出展者や発表者や主催者 の目線での記事にできればいいかな,と思っていました.裏話とか苦労話とかそう いった生の情報が入ってくると,それはそれで臨場感があっておもしろいかなーと.
なので会場内でのできごとだけでなく,当日の往路や昼食や懇親会や宿泊や復路など, あと人との出会いや食べ物の話題を多めに入れていました.そういう,フツーの 旅行記のような感じでイベントレポートを書ければ,それは新しくて楽しいものに なるのではないかなあ,「なんか勉強会いくのって面白そう.今度行ってみようかな」 って思ってもらえるんではないかなあ,と. ていうか,そういう記事がぼく自身,読みたかった.
そしてそんな紹介をすることで,参加するだけでなく出展したりとか,いずれは 主催してみたりとか,そういうことにも興味をもっていただけたりすればいいなあ, なんて考えていたわけです.
また,筆者は記事を書くだけで読者はそれを読むだけというのではなく, 主催者と参加者とのいい意味での三角関係が築ければいいなあとも思っていました.
たとえばイベントの主催側から広報や告知の場所として利用してもらったり, 雑誌版「IT勉強会カレンダー」のようなものにして参加者の情報収集に利用して もらったりして,そういう情報メディアとしての役割を持つ ことで,持ちつ持たれつの関係が築ければいいかなと. 読者のかたには口コミで広めてもらったり,ブログやTwitterで紹介してもらったり とか,情報提供してもらったりとか,そういう感じでしょうか.
この連載では主催者・読者・筆者の間で情報を交換しあったりいい形でお互いに 利用しあったり与えあったりというのを,とっても大切にしたいと思ったのです. 勉強会のようなボランティアベースの活動って享受するだけみたいなかんじだと (まあそれでもいいのですが)ぼくとしてはちょっと淋しくて,いい意味での ギブ&テイクがやっぱりあるといいなあと思うんです.まあもちろん絶対に そうでなきゃダメ!とか押しつけるようなわけではなく自分にできる範囲でいい とは思いますが,でも自分にできることっていっしょうけんめいに考えると, けっこういっぱいあったりするものです.
筆者の手が回らないときに代わりに撮影をお願いしたりとか, もしくは僕自身がイベントに行けない場合には,現地のかたに記事を書いてもらって とりまとめるとか(金銭的なことや権利関係がどうなるかはこの際置いといて), そういうこともアイディアとして考えていました.
ほんとはインタビュー記事とかそういうものももっとやりたかったのだけど, ひとりでは手が回らないこともあって,なかなか実現しなくてごめんなさい. 連載中はイベントに参加すると行きの新幹線では発表資料作って現地では出展しつつ セミナーもやってライトニングトークもやってそして取材もして帰りの新幹線では 写真整理とメモ書き,みたいな感じで目まぐるしくやっていたわけなのですが, まあそういう忙しい慌ただしい感じも記事に滲み出ていて,そーいう忙しいのが イベントの醍醐味だよなーみたいなものが溢れ出ているような気が自分としては していて,嫌いではないし良い想い出です.
勉強会というのは,たいへん面白く興味深い文化だと思います.
もともとぼくはこのような「行動力だけでやってみた」系の活動というものがとても 好きで,会社でどうとか仕事でどうとか大学でどうとかそういうことに縛られず, 一個人の資格で好き勝手にモノを作ってみたとか面白そうなので勉強会を開催してみた とかいったような活動にとても心魅かれるものがあります.
例えばOSCでよく見る「ひとりプロジェクト」や Make:で見かける「個人的に作ってみた」系の活動とかが,それです. 仕事とは関係無しに個人的に作ってみたというアレです. 他にも地方のOSCで見かける 「このあたりは東京と違って勉強会が少ないので,自分たちで開催してみた」 とかいったソレのことです.
大学や研究所やメーカーの方たちが仕事で頑張って巨大なものとか大規模なものとか 先進的なものを作るのは,実際,凄いと思います.
しかし一人の人間が個人として,趣味でPC向け自作OSをゼロから作っちゃったり, 子供でも作れる音声認識ロボットを製作してひとつのイノベーションを起こしたり, レトロパソコンの博物館を作るのが夢で何十種類ものアーキテクチャのエミュレータを 作ってしまったり, 趣味で勉強会を思いつくままに開催していたら会費だけで数百万円も動くような 数千人規模の勉強会になっちゃったり,そーいうのも「すごいなあ」と思うんです. うまく言えないが「面白すごい」というか,「すご面白い」という感覚だろうか.
なので連載中は,企業とか千人規模の大規模ユーザグループとかではなく, 学生とかアマチュアとか個人プロジェクトとか,そういう方々にスポットライトを 当てさせていただきました.
「はやぶさ」とかのようなプロフェッショナル集団の大規模プロジェクトにも 感動するのだけど,肩書とか関係無しに, 車輪の再発明とか意味があるかどうかとか周りがどう言うかとか気にせずに, 個人の資格で 「規模はそりゃ本職にはかなわないけれども,でも自由な発想で好きにやってみた」 というような,そういう妙なところにぼくは「すごいなあ」と感動するのです.
きっとそこには,人間のバイタリティーとか負けず嫌いとか常識とはちょっとズレた 発想とか,そういう「人間のおもしろさ」みたいなものが見えかくれするからだと 思います.そしてその成果物には作った本人の考え方や好みやクセがもろに出ていて, それがまた,人間らしくて面白い.
ちょっと言いかたを変えると, 「納得できなかったらとことんまで」とか 「ぜんぶ自分でやってみたい」とか 「わからない部分があるのはイヤ」とか 「オレが作ったものだけが好き.それ以外は全部嫌い」とか, そういう人間臭さみたいなものが感じられて,きっとぼくは好きなのだろう.
まあ残念ながらSoftwareDesign誌での連載は終了してしまったわけですが, そんなわけでまた機会があればぜひ続きを書きたいとは思ってはいます. 冒頭で「終わり」でなく「お休み」と書いたのは,そういう意味です. そしてもちろん誰か他の人がこのようなものを何らかの形で書くというのならば, それはぜひ読みたいし応援したい.